春の新刊
撮影を担当しました。
佐藤優さんの四月刊『勉強法』、五月刊『思考法』(角川新書)。
佐藤氏の書斎にて撮影。
タイトルは単純明快だが内容は濃厚。編集者がよりひろくこの本を届けたい意志を感じる。
わかりやすさが弊害となって物事の真意が伝わらない、あるいは、わかりやすさがわかりやすさという名の物事の表面に終始している。そのような類いの本に、あえて戦いをのぞんでいるかのような意志を感じる。
人間と情報と歴史。
いつまでたっても危うい関係。
イメージはダメージ。
昨日、五月一日発売『この歴史、知らなくてすみません。47都道府県・感動の日本史』(太田奈緒AKB48、河合敦著・PHP文庫)。
月刊『歴史街道』の連載を文庫化。計15回、毎回2、3時間の講義。そのうちの三分の一ほど密着撮影。テーマ設定、フォーカスする偉人人物、講義事前用意のサムネールレジュメ、連載担当編集者と文庫担当編集者が毎回準備し、立ち合い、丁寧に作られた本。私自身も知らない歴史が多く、同席してためになった。若い人向けの訴求だが、内容はしっかりしている。
偉人伝というのは一つの出版ブームであったような気がしている。特に江戸、幕末、明治、近代化の過程で偉人が生まれた。明治は偉人と異人の時代であった。そこで形作られた偉人から自由になって、知られてはいない、あるいはマスイメージ化されていないが、今現在の礎となった何かしらを為した人物から歴史をひもとくのはカッコつきの偉人伝とは違って、興味関心から入れる。まっさらな人が生徒役なのが、案内役として相応しい企画になっている。
春は勉強の季節。