日本女子ミニマム級王座決定戦 日向野知恵VS成田佑美 “死闘ドロー、女の意地” 2018.10.31.後楽園ホール
日本女子ミニマム級王座決定戦は死闘であった。
女の意地の強さがぶつかった。どちらも引かず、パンチの応酬、スタミナのせめぎあい、激しい打ち合いが6ラウンド、最後まで続いた。
日本女子ミニマム級1位、日向野知恵(赤・スパイダー根本)vs日本女子ミニマム級、成田佑美(青・姫路木下)。
日向野、前に前に出るタイプ。ジャブは出さず、気持ちを前面に身体を左右に振り、相手の懐に入っていく。対し、成田、ディフェンス力が高い。ダッキング、ウィービング、リーチをいかしたジャブで交わし反撃に出る。基本、その構図が最後まで続いた。
成田は6ラウンドフルに動いた。相当、基本に忠実に練習しているのだろう。
ディフェンス重視、交わしてワンツー、ワンツーフック、打ち終わりに身体を振る、スタミナも限界に近いだろうに、後半、足が動かなくなっても最後までそのスタイルを守り貫こうと、日向野の突進に応じた。
日向野は闘志がそのままスタイルになったボクシング。人となりがそのまま前面に出ていた。闘志あふれるとは、こういう女性のことを指す、まさしく一歩も引かないスタイルだった。
ジャッジは三者三様。
日向野58-成田57
日向野56-成田58
日向野57-成田57
ドロー。
死闘が数字に表れた。
成田はレフリーに手を引き上げられた瞬間、顔をくしゃくしゃに大粒の涙を流した。
日向野は呆然と立ち尽くしたままだった。
その対照的な姿が頭に残る。
すばらしいファイト。
アンダーカード、TKOでレフリーストップの瞬間、私はいくつかその光景を切り取った。敗者のTKOの瞬間、それは、息をのむほど美しいと思う。
レフリーに抱きしめられる瞬間、その反応は様々だ。
無念、
安堵、
自失、
絶叫、、、、、、
リングで真剣に戦ったからこその貌。
美しい。
以上。