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追悼 昭和こいる師匠



漫才コンビ「昭和のいる・こいる」、昭和こいる師匠の訃報に接す。

「しょーがねぇ、しょーがねぇ、しょーがねぇ、しょーがねぇ」 「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」 「良かった 良かった 良かった 良かった」


すっとぼけでいい加減、あっけらかんと軽い適当な相づち連射の連射、何ごとも真に受けないすかしの聞き流し、調子のいい悪態を憎めない身ぶり手ぶりの愛嬌、あきらめつつ受け流す与太具合、堅苦しい世間を相手にしない処世、昭和こいる師匠の芸、我愛す。



それはソリッドでスピードのある軽いジャブの連打、

テンポと調子の天才、「軽さ」の藝術だった。

「昭和のいる・こいる」の漫才のをかしみ、お二人の芸の愛嬌と品性が大好きだった。




軽いテンポと調子のなかに現れる 「健康さえあれば命はいらない」

この台詞は笑撃だった。


命という至上命題、人間の言葉(観念)の虚構を「笑」撃した。肥大化した脳を笑撃し、一瞬にして脳に身体性を取り戻させてくれた。




五年前、浅草東洋館の楽屋にてご挨拶させて頂いた。私淑、受けた影響をお伝えし「健康さえあれば命はいらない」のボクシング幟旗のお墨付きを頂いた。そして元モスキート級の師匠とボクシングについて語らった。色紙には病床の昭和のいる師匠名も代筆し「笑和」と記された。



ダブルのスーツの姿の格好良さ。東京の漫才師の愛嬌と品性、そのものであった。



謹んでご冥福をお祈り致します。

永井浩 拝

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