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万葉集に詠われる下総国府台・市川の寺、土方歳三、北上出立の地にて階段ダッシュトレーニング。


市川の弘法寺。

奈良時代、万葉集に詠まれる由緒ある寺の階段にてトレーニング。

国府台(こうのだい)。関東平野の東端、江戸川を渡った先は下総国の台地。

いにしえからの要所。市街を一望する高台に建つ。

全六十段、踊り場が三つあり、最後の踊り場から脚が上がらず、並走する相手の前に心が折れかかる自分との勝負。むしろ並走するからこそ為し遂げられる階段ダッシュ十本、ジムメイト三人とトレーニング。

プロボクサー千葉さん、今月二十八日の第103回角海老スパーリング大会に出場するプロ志望の田中君、ジムメイトの高松さんと心拍数の負荷をつける。

一段跳びのあと、一段ずつ。

秋の真夏日、日差しが強い。

秋晴れも、駆け上がるごとに迫りくる石の壁しか見えない30分間である。

かつて弘法寺の階段下には塔頭・大林院があった。

江戸開城による新政府軍の進軍で、江戸から脱してきた旧幕府軍二千人以上がこの地に集結。軍議がここで開かれ、幕臣・大鳥圭介が総督、新選組副長・土方歳三が参謀に就く。その時、この地から、会津戦争、長岡戦争、函館・五稜郭戦争に至る北上が始まる。

鳥羽伏見の戦いで敗れ、京都から江戸へ。土方はここで最後に江戸を望む。大鳥、土方らが出立したあと、弘法寺は新政府軍の屯所になり、上野戦争に先んじて両軍の武力衝突の地となった。

私は中高時代、新撰組副長・土方歳三が好きだった。土方の洋軍装写真のポスターを自室に貼っていた。土方が引き連れた島田魁ら隊士七人と登ったであろう階段。筋金入りの男たちを思う。

終われば一同、手足の先まで酸欠状態。

だが、心持ちは土方歳三。

田中君、千葉さんは一段跳びで13秒で駆け上がる。

見事。

(皆さんにサイト、ブログ掲載OKを頂いています。ありがとうございます。)

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