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闘争心の京口紘一vs平常心の拳四朗、世界チャンプ同士の特別スパー。フェザー級・佐川遼の右ボディ。2018.12.13.後楽園ホール


日本ライト級タイトルマッチ興行。

メインマッチの前に特別スパーリング2ROUNDが行われた。

IBFミニマム級世界チャンピオン京口紘一選手vsWBCライトフライ級世界チャンピオン拳四朗選手。

年末に京口は階級を上げてWBAライトフライ級スーパー王者・ヘッキー・ブドラ(南ア)に挑戦、二階級制覇を目指す。拳四朗はサウナ・ファレス(メキシコ)と5度目の防衛戦。

WBA、WBC、団体は違えど、挑戦と防衛戦の違いはあれど、年末にライトフライ級で世界タイトルマッチを戦う二人が後楽園ホールの観客の前で拳を交えた。

ヘッドギア、12オンス。どんな展開になるか。

1ラウンド目。仕掛けたのは京口だった。京口は本気だった。

ガードを固め、左右に身体を大きく振り、懐の深い拳四朗に入っていこうとする。

闘争心が漲ってきた。身体の振りは見事であった。

アウトボクシングの拳四朗にキャブの的を絞らせずにプレスをかける。

潜り込んでの攻めを意識させておいてから、1ラウンド中盤、身体全体で踏み込むワンツー。ヒット。拳四朗、身体をうしろに持っていかれる。ヘッドギアがなければダウンを奪われたかもしれない。1ラウンド目は京口。すぐ体勢を立て直す拳四朗もさすが。

2ラウンド目。何事もなかったかのように拳四朗、ややアウトボクシングからプレスに出る。プレスといってもジャブ、徹底したジャブの連弾。スピード感はそれほど感じないが、徹底したやむことのない、軌道が真っすぐなジャブ。その連弾が京口のガードの隙間からヒットする。京口の身体の振りが止まる。足が止まる。淡々と平常心で、じわりとリング支配権をいつの間にか奪っている拳四朗。

闘争心の京口、平常心の拳四朗。

見ごたえのある2ラウンドであった。

私個人としては拳四朗のスタイルに近い。

拳四朗は淡々と平常心でリング支配権を徐々にじわりと奪っていく。

5回、6回あたりで相手は完全にスタミナを奪われ疲弊、あとは拳四朗のペースに。

だが、おやじファイトは3ラウンド。

拳四朗の戦い方は共感するも、京口のような闘争心が求められる。

フェザー級4回戦

土屋諒太(赤、角海老宝石、23歳)vs中塚貴大(青・JBスポーツ、19歳)

打ち合い。終始、プレスをかけていたのは土屋だった。中塚は表情だけを見ると、常に痛がり、苦しそうであった。しかし、回を増すごとに手数、有効打、フットワークが良くなる。土屋はプレスに頼り、手数が少なくなる。判定、中塚39-38土屋、39-37、40-37で3-0中塚勝利。私の採点、中塚39-土屋37。怖がりの表情、見栄えを越えて、中塚は内容で判定勝ちした。

スーパーバンダム級4回戦

八代明博(赤、日東、24歳)vs中村賢治(青、世田谷オークラ、33歳)

年の差対決。戦績は矢代、8戦2勝4敗2分。中村は7戦2勝(1KO)5敗。

似たような戦績同士。

八代、ディフェンス力は高い。だが、避け損。攻防一体でなく、終始、ダッキング、ウィービングでディフェンス。パンチ力がない。ディフェンスは多彩だが攻撃のバリエーションは単発。

一方、中村、愚直に前に出る。気持ちが出たファイトであった。 判定、3者ともに中村39-矢代37。私の採点中村40-矢代36。

八代は避け損。もったいない。

バンダム級8回戦

小山内幹(赤、ワタナベ、25歳、サウスポー)vs田之岡条(青、小熊、25歳、サウスポー)

同年、サウスポー対決。

アマチュア73戦、4戦2勝(1KO)2敗の小山内。

対する田之岡、プロ叩き上げ、24戦15勝(1KO)5敗4分。

田之岡、勝ち星多いがKOが少ない。

叩き上げらしくリング度胸素晴らしい。フルラウンド、気持ちの強い姿を通したが、攻撃力が決め手をかけた。アマキャリアのプライドを感じさせた小山内が攻め込む。攻撃の多彩さで小山内に分があった。

小山内77-田之岡75、78-74、79-74、3-0小山内勝利。

私の採点、小山内79-田之岡73。

フェザー級8回戦

佐川遼(赤、三迫、24歳)vs河村真吾(青、堺東ミツキ、28歳、サウスポー)

6戦5勝(3KO)1敗の佐川、前戦で大橋ジムのホープとして世界戦を戦ったこともある松本亮にTKO勝利。

河村、21戦15勝(8KO)5敗1分、前戦で大橋ジムのオリンピック銅メダリスト清水聡にTKO負け。

有力選手としのぎを削った者同士の対決。

キャリアが上の河村、前へ出る。

佐川、足を使いながらも体幹がぶれないしっかりした右ボディが、河村の前進をとめる。

ワンツーもぶれない。脇が締まり、前進するも手が出なくなった河村に当たりだす。

佐川、最終8ラウンド2分40秒TKO勝利。

河村、気持ちは負けていなかったが、佐川のボクシングが強かった。

試合後、私の席の隣に座り、メインのジムメイト・吉野修一郎選手の試合を観戦した佐川選手。

「おめでとうございます」と声をかけた。

「ありがとうございます」、照れくさそうな謙虚で素直な微笑みに、共感、注目の選手となる。

私の理想のボクシング。

メインマッチ

日本ライト級タイトルマッチ

王者・吉野修一郎(赤、三迫、27歳)vs小林和優(青、RK蒲田、35歳)

吉野、三度目の防衛戦。

身長180cm、ライト級にしては背が高い同士。

アマチュア経歴が華麗な吉野、3ラウンドTKO勝利。

これで9戦9勝7KO無敗。

パンチをもらったとき、打たれ弱いのかと思ったが、ゆるがない経歴、キャリアの自信がリング支配権を相手に渡さない。

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