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日本バンダム級王座統一戦。王者・斎藤裕太vs暫定王者・木村隼人。散り際に満開の桜ファイト。花形進(新プロ協会会長・72歳)、セコンドにあり。“継続は力”の存在証明、生涯現役現場の現存在。2019.4.

日本バンタム級王座統一戦。

王者・斎藤裕太(花形・31歳・右)、暫定王者・木村隼人(ワタナベ・29歳・右)。昨秋、王座についた斎藤、その後、潰瘍性大腸炎が発覚、その間に暫定王者になった木村。

統一戦。

斎藤のリングイン。ロープをまたぎ、斎藤をリングに招き入れる花形進会長の姿があった。プロボクシング協会会長に新任。72歳。今現在のシャドーボクシングも魅入ってしまうほどのキレがある。現役時代は戦歴65戦、WBA世界フライ級チャンピオンを獲得。継続は力なり、の存在証明。そして今なお、協会会長になってもリングに立つ。生涯現役現場の現存在。

試合は出鼻から激しい打ち合いとなった。持つのか?思わずにいられなかった。木村がとにかく前に果敢に出る。強い気持ちがリングにあった。迎え撃つ斎藤。接近戦、身体を入れ替えながらパンチをかわし、アッパーカットを撃ち込む。額をこすりつけての撃ち合い。ダメージは木村の方に現れた。三回、右目が腫れてふさがった。

目の負傷で意を決したのか、木村、さらに果敢に前に出る。急ぐようかのファイト。強い気持ち、伝わってくるファイト。とにかく強い気持ちを前面に相手にぶつけていくファイト。回を増すごとにそのファイトは燃焼し、観るものを熱くした。顔は腫れあがっていた。まだ中盤に入ったばかりであったが、自らクライマックスを求めていくかのようであった。

五回、斎藤のアッパーカットの連打で足が止まった。そこから撃ち込まれる。木村陣営、タオルを投げ入れる。

斎藤、5回TKO勝利。タフにきつい撃ち合いを制した。気づけばまだ5回であった。木村、散り際に急ぐかのように満開になる桜であった。散る間際、木村という魂がリングに花開いた。試合運びやファイトスタイル、駆け引き、とりあえず、そういう次元でなかった。美しいとさえ思った。気持ちの表出として一つのボクシングの醍醐味。

ナイスファイト。

敬称略。

(了)

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