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彼岸華、紫式部、秋桜、花咲く畑。鳥にやられ、急ぎ柿もぐ。いつの間にか秋。



彼岸華が畑の際に咲く。

こんなに心をくすぐられる花があるだろうか。

秋彼岸の墓参で寺の境内にも咲いていた。

山間の旧街道筋にも咲いていた。


秋めく山間。紅葉で色ずく前の濃緑の山肌に彼岸華は映える。



畑の際に紫式部が咲く。

小さい実が連なり、ぶらさがる。

鳥が種を運んできて、いつの間にか咲くようになった。

咲くまでは雑草が茂ったかのようで邪魔くさいと感じるが、

いざ咲くと、淡い紫色の粒が味わい深く、

これまた心をくすぐられる。



日暮れの秋桜は秋そのもの。

畑の際でふわふわ泳ぐ。



柿というのたいがい、手の届かないところに実る。

少々、無理をしてもぐ。

甘柿、おいしい。




渋柿も採る。干し柿か焼酎漬けか。



隣の棚田が黄金色に輝いていたと思ったら、

刈り取りがいつの間にか、終わっていた。

天日干しの柵が風情そのもの。



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