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〈清明〉じゃが芋植え付け、焚火、土起こし、道中花見。



里山春霞み、自転車沸き出づる峠道。


桜色、新芽色が連なる山々を霞みとともに淡く彩る。

街道筋、渓流は川底がエメラルド色に色気づき、峠道の脇には山吹が黄色い蝶のごとくふわふわと浮かんでいる。里山の民家の庭先の花ももが艶やかにしだれ咲く。

清明。



凝り固まった大地の土お越し、まだまだ続く。

剪定したキウイの枝木やら、傷んでぼろぼろとくずれる腐木、落ち葉、立ち枯れの雜木で焚き火。草木灰にして畑に混ぜる。




じゃがいもの植え付け。

北あかり、北かむい、とよしろ。

種芋を半分に切り、草木灰にまぶして植える。

山間部、春を迎えても霜がこわいが、

陽気に誘われ、先月末、啓蟄の鍬入れで土がふかふかしていたので植え付けた。



紫の木蓮が大きな花びらを空にそらせて咲き誇る。 足下では黄色い鉄砲水仙、白き水仙、鈴なりのりんどう。




桜満開、穏やかな陽気、桂川の土手、桜並木を花見。

青空の下、こんもりと連なる低い山々を背景におおらかに蛇行する懐深い桂川、架かる一本の真っすぐな橋。


温かな風薫る。ときおり桜吹雪。

絶景。


実家の庭先の絞りの椿が見頃を迎えた。

お隠れ遊ばす簾越しの椿が美しい。

春は桜か、近頃とみに椿に惹かれてきた。


射干も咲き始めた。

曼陀羅のようで待ち望む花。



君子蘭が見事であった。



その横で、啓蟄に種をまいたアカチマが発芽していた。



三つ山を越えた先の集落で借りている段々畑。

豆タンで土お越し。

トンネルで20分、山三つ超えると気温がさらに低い。

こちらはまだ霜の注意が必要。

今は土づくりに専念。




段々畑の上からの景色、四年目を迎え、ますます心に沿ってきた。


(了)

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